「 優しく生きる 」
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「 私たちの新兵器は『 優しさ 』です! 」
ある方が、大きな紙に墨字で
「 私たちの新兵器は優しさである。 」
と、書いて配りました。
病院の看護婦さんがそれを手にして、持ち帰りました。
それを見たお医者さんは
「 何を言うか!優しさで事がすむなら、医術なんか必要ないんだ! 」
と、言われてしまったそうなのです。
けど、本当にそうでしょうか?
そんなレベルで、先ほどの墨字は書かれたのではないのです。
みなさんは、「 優しさ 」って聞くと、
何を思い出しますか? 誰を思い出しますか?
あのお医者さんは、そう言いましたが、
実は、本当の「優しさ」は、人間を生かすのです。
学問や技術がどんなに高くても、
人間の内側を見直し、心を変えることはできません。
けど、人間は本当の「 優しさ 」に触れるとき、生きるのです。
「 優しさ 」とは何でしょうか?
「 優しい人 」とは、誰のことでしょうか?
それは、字のごとく「 人の憂いが分かる人 」ということです。
わたしの心の「 憂い 」に触れてくれて、分かってもらえた・・
そこに、人が回復していくひとつの道があるのです。
あなたの「 憂い 」を分かってくれる人、
「
優 」
これを分解すると・・
人 憂
あなたの苦しみを知り、寂しさを理解してくれ、心の悲鳴を聞き取ってくれる・・疲れたときは寄り掛かることができ・・
人 憂
一緒に立ち止まって、そこにいてくれる人、
人 憂
あなたの「 憂い 」の横にいてくれる「 人 」
そんな「 優しい人 」と出会いたいです。
誰かの「 優しい人 」でありたいです。
・・ 人 憂
「 私たちの新兵器は優しさである。 」
その字を書いた人の心は、そうだったのかなぁと・・
思うんです。
いかがですか?
・・・・・・・
時々、思い出す文章があります。これは、誰かのために「 このようにありなさい 」と、言っているのではありません。あなたに「 こうしなさい 」と言っているのでもありません。
ただ、自分のために。私は「優しい人」のひとつの姿を、この文章に見る思いがするのです。
「自分が火災によって傷つく危険を犯すことなしに、どうして燃えさかっている家から子どもを救い出すことができようか?
自分自身の心に同じような痛みを経験することなしに、いやむしろ、自分の心の高価な平安を失う危険を犯すことなしに、どうして孤独と絶望の淵にたたずむ人の話に耳を傾けることができるだろうか?
つまるところ、「その中に飛び込まないでどうして苦痛を除去できるのか?」ということである。
多くの中のただ一人に関心を持って、とことんまでやる人を、人々は信頼する。「彼は本当に私たちのことを思ってくれる」という評判は、一人のために他の多くの人のことを忘れることが、本当の指導者であることを示す多くの物語によって例証されている。 」
(ヘンリ・ナーウェン)
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